小児期にみられる線維筋痛症は「若年性線維筋痛症」
といわれ、発症は 10才前後に集中しています。
男女比は1:4~8と、女児に多い傾向が あります。
症状の中心は「全身の疼痛」にあり、軽く触れただけで
激しい疼痛を訴えるアロデニアを特徴としています。
これに加えて、原因不明の筋肉痛、関節痛や持続的な
頭痛を訴えることも少なくありません
慢性疲労感、睡眠障害、低体温を訴える例は半数以上あり、
経過がすすむと異常な発汗、末梢冷感(手足が冷たくなる)、
チアノーゼ、四肢の浮腫(むくみ)などの自律神経症状が
加わってきます。
このため登校障害(不登校)に至る子どもがほとんどです。
ときに摂食障害(食思不振症、過食症)に陥る例もあります。
線維筋痛症では他の疾患に伴う疼痛とは異なり臓器・
組織の炎症を認めないことが特徴です。
また、一定の身体部位に圧痛(押すと痛い)があります。
これが「圧痛点」で、極めて限局しており、
この点をわずかにずれても圧痛はでなくなります。
慢性に経過したリウマチ・膠原病患者の一部以外に
この圧痛点を認めることはないので、
線維筋痛症の診断の有力な根拠になります。
若年性線維筋痛症が成人のそれともっとも異なることは、
疼痛が始まる年齢に大きな特徴があることです。
9歳~10歳にピークがあり、子どもの発育過程の中で
「早期思春期」と呼ばれる時期に相当します。
また、若年性線維筋痛症の子どもは、性格もきわだっており、
いわゆる“良い子”で、真面目、頑固、完璧主義、潔癖主義、
妥協を許さないなど柔軟性の欠如があり、
コミュニケーション障害、融通性に欠ける性格、
他人への過剰な気遣いなどが特徴的です。
この点は線維筋痛症を考える上で、鍵となる特徴と思われます。
個々の例には発症の原因となる事態があり、
子どもにとって強力な「心的ストレス」が発症の契機に
なっていると思われます。
若年性線維筋痛症は、
特定の発達時期にある特異な性格傾向の子どもに、
不可避的な心的ストレスが加わって生じたものと
考えることができます。
“心的”とはいえ、疼痛は実際に生じており、
圧痛点という共通の所見があり、
所謂“心因性疾患”とはいえず、
脳内環境の生化学的な変化が推定されます。
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