若年性線維筋痛症の治療

診断と病気に対する適切な取り組みが早ければ早いほど、

良好な予後が期待できます。若年性線維筋痛症の治療には

薬物療法と薬物に頼らない非薬物療法があります。

 

 成人の線維筋痛症に対しては、用いられているさまざまな

薬剤が以下のようにあります。

*SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

 マレイン酸フルボキサミン(商品名:ルボックス、デプロメール)

SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

 塩酸ミルナシプラン(商品名:トレドミン)               

抗うつ薬

 アミトリプチリン(商品名:トリプタノール)やアモキサピン、

 塩酸ミアンセリン(商品名:テトラミド)など

 抗不安剤

 アルブラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)など

抗てんかん薬

 ガバペンチン(商品名ガバペン)、プレガバリン(商品名リリカ)、

 商品名テグレ トール、リボトリールなど

 

しかし、

上記の薬剤のいずれも小児には使いにくいものであり、効

果が乏しく、副作用に苦しむ場合が少なくありません。

 

こどもに比較的安全に適応できるのは、

  • アセトアミノフェン
  • ノイロトロピン
  • 還元型コエンザイムQ10(慢性疲労に有効)

などです。

ノイロトロピンは小児には安全性が高く、しかも疼痛緩和の

効果が期待できます。

 

若年性線維筋痛症における非薬物治療

若年性線維筋痛症のこどもたちのなかには、病気の診断が

つくだけで、それまで理由の分からない症状に悩んでいた

ことから親子ともに開放されて、症状が全く完全に

なくなってしまう子もいます。

 

成人の線維筋痛症の早期病態とも考えられることから、

自分の生活環境を見直し、心理的に負担となっていた

原因を見出し、対策をたてることで、薬物に頼らずに

日常生活活動(ADL)を改善することができます。

 

  •       小児科受診による疼痛管理
  •       児童精神科などによるカウンセリング
  •       リハビリテーション

 

 

などが、手助けになります。

鍼灸などの民間療法で症状が改善したこどももいます。

 

しかし何よりも大切なのは、

家族や学校の友人・先生など周囲の病気に対する理解です。